隻眼会計士・税理士の視点

隻眼の会計士・税理士が書いているあれこれ

隻眼(片目)でいることで日常困ることはほぼない

です。おしまい。

 

…にするわけにもいかないのでちょっとだけ続けますが、実際問題そんなにないです。3歳の時から隻眼生活なので、物心ついた時からずっと同じ状態でいるわけで、いまさら遠近感がどうのこうのといったことはありません。

 

ちょっとだけ困るのが見た目問題でしょうか。

裸眼の状態だといかにもケガをした状態なので、外に出るときは光彩付コンタクトレンズを装用しているわけですが、そうすると、遠い目から見るとそれほど違和感はなく、ちょっと近づくとなんだか左目が充血している(実際充血はしている)見た目となります。

 

そのため、しばしば「左目が赤いですけど大丈夫ですか」と聞かれますが、そのくらい。(「もともとこういう感じなんです」と言って終わり)もっとも、コンタクトレンズのケアがおざなりな部分があって充血しているということもあるので、そこはもう少し丁寧にするべきかもしれません。

 

ごくたまに、歩いていっているこどもの送迎に、コンタクトレンズを付け忘れていってしまうことがあり、そんなときには人と意識的に目を合わせなかったりはします。

 

あと、そうでなくともやはり人と話すときに余り目を合わせない傾向があるようには思えます。しょうがないですね。

隻眼YouTuber(義眼少女)がいた

先日、ふとした機会にyoutubeにおいて隻眼のひとがいるのを見つけました。

 

直リンクは張らないものの、「義眼少女ぴぴる」という名で2019年5月に動画を初公開し、以後、それほど更新頻度は高くないものの、最近では6月に久しぶりの動画をupしているので、youtuberとしては細々と更新・交信はされているようです。

 

また、「“義眼少女”「障害者と健常者のはざま」で悩み続け‥選んだ道はYouTuber」という題で、CBCテレビ(愛知県を中心とした中京地区のTBS系放送局)のチャント!という、夕方のワイドニュース・情報番組のドキュメンタリー特集コーナーで取り上げられていました。(執筆時現在動画視聴可能)

 

彼女の場合、先天的な疾患により右目が成長しないまま出生し、生後10カ月から義眼を装着しているとのことです。その点、3歳時に外傷により左目を失明し、光彩付コンタクトレンズを装着しているわたしとは、ちょっと違います。

 

そういえば一回、高校生だか大学生だかのとき、義眼はどんなもんだろうかと東京で扱っているところにいき、試しに装着したことがありますが、自分には合わなかったです。どうしたって異物感が半端ないです。

たぶん、義眼の方が面倒な気がします。

 

youtubeのネタとして高い頻度で更新するのは難しいテーマで、あまりプライベートに踏み込んでいく(「義眼少女の恋愛事情~」といったやつ)のはためらわれるでしょうが、世の中に有益な情報かと思いますので、細々とでも続けていってほしいなと思います。

世の中に隻眼(片目失明)の人はどのくらいいるのだろうか

視覚障害者の人は日本でどのくらいいるのか

まずは片眼失明ではなく視覚障碍者の人が全国でどのくらいいるのか、例によってWebで調べてみようとしたところ、出てくる情報が若干古くて10年前だったり、政府発表の一次データにいきあわなかったりで、すぐに出て来はしません。Googleの限界を感じます。信頼に足る一次データにぱっとアクセスできない。

 

とはいえ、各種情報からどうやら視覚障害身体障害者手帳の交付を受けている人は全国で30万人台前半、ではあるようです。ここで、視覚障害と言っても全く何も見えない状態から、ごくわずかに見えている状態まで、状況はさまざまです。

片眼失明者の公式データはないらしい

やはり「片目 失明者 人数」で検索しても、そのものずばり、のデータは出てきません。視覚障害者の数が出てこないのであるからむべなるかな。

いまこのキーワードで検索すると中日新聞Webで、片目失明者の特集記事が上位に出てきますが、そこにも「片目失明者の人数は全国で10万人とも推定されるが、国も実数は把握できていない。」とあります。

 

日本の人口をキリ良く12,500万人とすると、10/12,500=1/1,250=0.08%です。1,250人に一人。人口10万人の市であれば80人くらい。

一方、障害者手帳を持っている視覚障害者の数は30万人強/12,500=0.24%~0.27%といったところでしょうか。400人に一人くらい。400人に一人と言われると、けっこういる感じがします。

 

さて、片眼失明者が1,250人に一人というのは、感覚的にどんなもんでしょうか。

片目失明に至るのは、わたしのように怪我(事故)のほか、病気(良く知られているものとして糖尿病)といったことがありえます。特に高齢者となると病気で失明してしまったという人は案外いるのではないかという気がします。女優として著名な樹木希林さんも60歳頃に網膜剥離により左目を失明しています。そうすると、もう少しいても良いような気がしないでもありません。

とすると、ちょっと多く見積もっても1,000人に一人くらい(人数だと12万5千人)。まあ、でもそんなもんでしょうか。1,000人だったら何かのちょっとしたイベントですぐに集まりそうな人数です。その中に一人いても全くおかしくない。そう考えると、そこまで珍しいという感じでもないでしょうか。

そうはいってもいままで出会ったことがない、というのは私も含め、積極的にそうであることを周りに公言していないから、かもしれません。あとは、片眼失明者の絶対数としては高齢者が多いでしょうから、多くの高齢者と接する機会がなければよりいっそう出会う機会は少なくなるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

自分のこどもに「お父さんの目はなんでそんな色なの」といまだ聞かれない

ほぼ一年ぶりに記事を書きます。まったく打ち捨てられているかと思いきや、どうも見に来る人も稀にいるようで、ちょっと驚いています。

 

「隻眼会計士」でGoogle検索しても全くヒットしないものの、bingで検索するとヒットし、そこから見に来ているようです。それにしてもWeb検索の仕組みはよく分かりません。

 

自分がiPadではなくAndroidスマホなので、必然、グーグルとの相性が良く、グーグルにいろいろな個人情報を渡しており、つまり自分が使っているものはみんなも使っているという考えから、てっきりほとんどの人がグーグルで検索しているかと思いきや、グーグルのシェアは日本では3/4くらいらしく、bing(マイクロソフト)で検索する人も多少はいるんですね。

 

さて、そんなことはどうでもよく、このブログは一応世の中の同じ境遇を持つ人・親にとっては多少なりとも役に立つであろうと考えて立ち上げたもので、このまま打ち捨てておくのももったいないように思います。

 

そこで、今後は隻眼の話題に絞って書いていきたいと思います。そんなにないですが。

 

ということでタイトルの件。

 

筆者は結婚し、こどもが二人います。長子はすでに物事の識別がよくできており、父親としてはいつ冒頭のように聞かれるかと思っているのですが、まだ聞かれません。

 

一緒に風呂に入ることももちろんあり、だいたい風呂に入るときには光彩付コンタクトレンズは外しているので、以後、寝て朝起きて支度するまでは怪我した目になっているんですが。

 

もしかしたら母親(=筆者の妻)には聞いているのかもしれません。いや、聞いてないかな…

 

こちらから積極的に言おうとは思わず、聞いてきたらキチンと答えようとは思っているのですが、聞いて来ない。まあいいか。

 

長子なりに、「世の中いろんな人がいるから左目の色がちょっと違う人がいたって不思議ではない」とでも思っているのでしょうか。そういえば、黒人の子のいる環境で過ごしていたときもありました。なら良いか。実際そうだし。

 

それとももう少ししたら聞いてくるかな。その時に隠さず答えようとは思います。

 

 

 

 

良くあるであろうと想定される質問と回答

先の記事と重複する個所もありますが、自分で作った質問と回答を以下

 

Q:筆者はどういう人ですか

A:公認会計士・税理士。30代後半男。家族は妻と二男児

 

Q:失明したのはいつですか。また、その原因は。

A:3歳の頃、家庭内の突発的事故でガラス戸に突っ込み、外傷性網膜剥離により左眼を失明しました。

 

Q:左目は普段どういう状態なのですか

A:裸眼では白濁していて一見してケガしているというのがわかります。そのため、外に出るときは虹彩付きコンタクトレンズを着用しています。これにより、左目はいつも赤いけど、ぱっと見の違和感はそれほどなくなります。

 

Q:障害者手帳は持っていますか

A:片目が失明しているだけでは身体障害者扱いにならないので、持っていません。(持てません)

 

Q:左目が見えないことで日常生活で困ることはありますか

A:それほどないですが、左方の視野は狭くなるので左足をはじめ体の左側をぶつけやすくはなります。運転免許は取れるので、取得して日常的に運転もし、安全運転にはくれぐれも心がけています。他、左右の視覚差を利用した3D映像は見えないですが、3D自体ほとんどないので、これは別に。あ、そうすると、TDLの「ミッキーのフィルハーマジック」は100%の状態で見れないのかな。まあ、しょうがないですね。

 

Q:左目が見えないことで特に気を付けていることはありますか

A:先の車を運転する際に特に気を付ける以外には、これといって。ただ、眼科検診は年に一回は行くようにしています。健康診断では視力検査ぐらいしかしないと思うので、両目が健康であっても、眼科検診はある程度の年齢になったら年に一回ぐらい行っといたほうがいいと思います。眼科医の回し者ではないですが。

 

Q:スポーツをやる際に影響はありますか。苦手ですか。

A:実はスポーツは全体的に得意な方です。中学までは野球をしていました。決して上手くはなかったですが、今でもバッティングセンターに行けばまあまあ普通に打てるぐらいです。卓球なんかも人並みにできるし、球技が苦手ということは全然ないです。一般的に片目だけだと遠近感が取りづらいといわれているようですが、これはもう慣れですねきっと。そういえば、スキーが趣味なんですが、ターンを右側でしたがる癖があるようなので、これは影響がなくはないといえるかもしれません。

 

Q:左目を失明していることで不利益を被ったことはありますか

A:就職活動の際には確かに内々定が取り消されるということがありました。なので、公認会計士試験を受けることにしました。アルバイトを探すのも、ちょっとだけ苦労した気がするけど、そんなもんかな。

 

Q:左目を失明していることでいじめを受けたことはありますか

A:ないです。周囲の人はみんなわかってくれていたというのと、自分自身、卑屈にならずに過ごしていたこと、それに、勉強もスポーツもできてたので。

 

Q:失明していることで自己の性格に与えた影響はありますか

A:黙っていたって目立つ存在なので、それを逆手にとって特に小中学校の際は旺盛な自己顕示欲を発揮し、それが今に至っていると思います。じゃないと、こんなBlog書かない。

 

Q:こどもが片眼を失明してしまいました。どのように接すればいいでしょうか。

A:特に甘やかしたりせずに、通常通りに。人よりちょっとだけ不利かもしれないけど、それはそういうもんだとして受け入られるようにするのがいいと思います。ともすれば、卑屈になってしまうかもしれませんが、それは失明していなくたって他にも何らかのきっかけで卑屈にはなりうるので、得意分野を伸ばすなりして自己肯定感を高めることが重要です、ってこのへんは通常の子育てと変わらないですね。

 

Q:私は片目を失明しています。将来どのような職業に就くのがいいでしょうか。

A:片目が見えないことによりそもそも就業できない職業がいくつかあります。そのうえでも選択肢はいろいろありますが、芸術関係とか、医療関係とか、国家資格とか、研究者とかがいいんじゃないでしょうか(適当)。一般企業に勤めるっていうのだって、通常の会社であればそんなに問題にはならない(確かにハンデはあるが他の要素でカバーできる)はずです。でも、見た目が重視されるところは難しいかもなぁ。その点はアルバイトを探す際でも影響してくるかもしれません。でも、世の中広くていろいろな職業があるので、自分のハンデをしっかりと踏まえたうえで適性を見極めれば、なんか見つかりますよきっと。

 

Q:最後に片目を失明してしまった若い人に包括的にアドバイス

A:勉強をしっかり頑張りましょう。片目が見えないこと、そしてそれにより外見上の見た目が悪くなることは確かにハンデではあります。それをどうのこうの言っても始まらないので、それを所与のものとして受け入れ、自分のできることを見極め、自分の人生を切り開いていきましょう。片目だけしか見えなくとも、自分で選んで進むことのできる人生は、大きく広がっていて、彩りにあふれています。うまくいけば、生涯の伴侶を得られることもできます。決して卑屈にならず、良い人生を送ってください。

(…最後、自分で書いてて泣けてきた)

以上

不幸にも隻眼となってしまった場合のライフハック

 片眼失明となる原因は様々でしょうが、多くの人はある程度の年齢になってから病気が原因で、ということかと思います(※1)。 そういえば、昨年(2018年)に他界した女優の樹木希林さんは網膜剥離で左目を失明していたとのことでした。

 ところで、先の記事で触れたように片眼失明だけでは障害者認定されるわけでもなく、じっさいのところ、片眼失明者がどのくらいいるかについては、このWebに情報があふれた現在においても、それらしきデータを探そうとしても簡単には見つからないので、良くわかりません。自分の場合は、幼少時に外的要因で失明に至りました。このような外傷による片眼失明者は、その絶対数(割合)としては少ないと考えますが、この日本において、毎年何人かは新たにそうなっているのはまず間違いないと思います。

 そういうわけで、原因として最も多いであろう、主に加齢による片眼失明の場合は‐これはこれで実は大変だと思いますが‐自分にはよくわからないので、幼少期に(あるいは先天的に)片眼失明となってしまった人というニッチに向けてのライフハック的なものを、以下2点、述べていきます。

 

学童期・思春期におけるいじめの原因となるのではないかという懸念について

 自分の経験談をもとに言うと…っていうか、こんなこと言わずともそもそもがこのblog自体、自分の経験に基づくものなので、そのあたりはご認識いただくとして、いじめにあったことはないです。ないといっていい。小学5年生ぐらいの頃一度だけ同級生にそのような言葉(「お前片目しかないくせに」といったようなもの)を投げかけれたことがあるけれど、そのくらい。そしてその時も、別の同級生が「そういうことを言ってはいけない」と強く非難し、結果、言葉を発した同級生から謝罪されたような記憶があります。

 理由。

 一つは、自分がケガをしたのが3歳という、幼稚園年少時であり、その幼稚園から多くが同じ小中に進んだことから、自分(=筆者)はそういうものであるということが広く認識されていた。つまりは、例えば顔に大きな痣があるね、というぐらいの感覚で、自分は片目が見えず、いかにもケガをしている目になっているのが同級生の中では当たり前になっていて、それをいまさら取り立ててどうこうする、という状況ではなかった。

 今一つ、こういうことを自分から言うのはなんだけど、特に小学校高学年から中学校にかけては、勉強ができた。そして、スポーツも人並み以上にできた。というわけで、取り柄があった。この流れで、高校は県内でも有数の進学校に行くことができ、そういった高校にいじめをするような人はまずいないので、高校でのいじめもない。そしてもちろん、大学生ぐらいになれば、外見でいじめるということはなくなる。

 いじめがなぜ発生するかという点につき、「いじめは自分では背負いきれない影=自分にとって異質なもの、受け入れがたいものを外部に投影することでスケープゴートをつくり出し、それを非難、攻撃することで一時的に心理的安定を得ようとするスケープゴート心理」によってもたらされる、というユング心理学的立場の見解(※2『いじめの心理と発達』)があります。自分も(ユング心理学に全く詳しくはないものの)この見解はおおむね妥当と考えるところ、自分の場合、異質であるのは間違いないけど、それがあまりにも突き抜けていた、あるいは周囲の慣れにより、このような心理状態を周りに作らせなかった、と考えています。

 というわけで、勉強を頑張るなり、なにか取り柄を見つけましょう。そうすれば、ふつーの環境下であれば、たとえ一部からいじめのターゲットになるにしても、それは局地的にとどまり、自分への協力者(仲間)がいるはずなので、全クラスから総攻撃されることはないと思います。もしそれでも総攻撃されるようであれば、学校を変えるしかない。この考え、認識が甘いかなぁ。確かに反証はいくらでも出てきそうではある。

 

就職について

 さて、学齢期時代は無事に乗り切れたとして、問題は就職です。これは、はっきりいって、ちょっと覚悟しなければならない。片眼失明であれば、どうしたって不利に働きます。実際問題、制限される職業が出てきます。自衛官にはなれない(※3)し、航空機パイロットはもちろん(※4) 、第一種大型・中型免許や準中型免許・けん引免許・第二種免許を取得することもできない(道路交通法施行規則第23条。また、一例として埼玉県警Webサイト※5)。そういった特殊といえる職業の他、見た目上の問題は避けがたいため、見た目が重視される職業に就くのもたぶん難しい。この点では「片眼失明者に障害者認定を」との主張が出てくるのはまあわかる。

 そして何より、自分は、経済系の学部だった大学生時代、ふつーに就職活動していて、とあるIT系企業に内々定をもらうも、その後「やはり健康診断の結果不採用という形で…」ということでそれが白紙になり、その時点で内定ゼロ、いわゆる無い内定ということになり、それがために、公認会計士試験を受ける決意をするに至ったわけです。大学4年時の6月6日。

 とはいえ、この点については、今から思えば、自分の現状認識が不足していた、といえるでしょう。多かれ少なかれ、人はそれぞれ不得手、ハンデみたいなものは持っているものであり、自分の場合は人よりそれがちょっと顕著だとしても、それを踏まえて活動しなければならなかった、あるいはもう少し早く進路を定めなければならなかった。ただそれだけです。逆境といえば逆境だろうけれども、特段乗り越えるのが困難な逆境ではなく、自分でどうにかなる類のものであった。それに、もう少し早く気づいて対策をしておくべきだった(もっと早いうちから国家試験を目指しておくとか、そもそも違う分野に進路を取っておくべきだった)ということです。

 ちなみに、自分の同級生で、片眼ではないけれど二つある体の部分のうちの片方を喪失した人がいて、このBlogを書くにあたって気になって検索してみたら、とある文系学問を修め、研究者の道に進み、その分野では確固たる業績を上げているようでした。

 というわけで、職業についてはある程度制限されるのはやむを得ないので、それを踏まえて対策を立てておきましょう。不貞腐れてはいけません。

以上

日本のどこかにいる隻眼会計士・税理士が書くブログをはじめました

はじめに

10年ぶりくらいにブログを書くことにしました。本人がほぼ特定される設定ですが、世の中のほっとんどの人は自分のことを知らないので、全世界に公開されることを念頭に置きつつも、ある程度好きに書きます。ブログ内での一人称は特に紛らわしくなければ「自分」とします。それが最もしっくりくるので。ブログをどのように書いていくかは技術的にまだ不慣れなので、しばらくは手探りで進みます。

 

隻眼ってどういうことか

隻眼をWebで調べると、デジタル大辞泉では「1 一つの目。片目。2 ものを見抜く眼識。すぐれた識見。また、独自の見識。一隻眼。」と出てくるけれど、1の意味です。つまり、片目(しか見えない)ということです。自分の場合は、3歳の頃に家庭内の不慮の事故によってガラス食器戸に突っ込み外傷を負い左目が失明に至りました。左眼は傷ついている状態なので、裸眼だと白濁しており、見た目上違和感があることから、虹彩付きコンタクトレンズ(※1)を着用しています。

これは、SEEDから発売されているもので、メーカーでは整容用という表現を用いています。保険とかは効かない。治療ではないので所得税法上の医療費控除の対象でもない。税抜2万円くらい。このコンタクトレンズを着用していると、左目は、なんだかいつも充血しているけど、見る人の違和感はだいぶ和らぎます。もっとも、充血は自分のコンタクトレンズのケアがぞんざいであるということも一因かもしれない。

なお、残念ながら、すぐれた識見を持った会計士・税理士とは今のところ自他ともに認められないです。いつかはそうもなりたいものです。

 

隻眼は障害者になるのか

片方の目が矯正して十分な視力(0.6超)あれば、身体障害者福祉法上の視覚障害者とはなりません。自分は、幸いにして右目は裸眼では0.5前後、眼鏡をかければ1.0くらいにはなるので、障害者手帳は持っていません。普通自動車運転免許証は片眼視力0.7以上、視野150度以上あれば取得できるので、持っているし、毎日車の運転をしています。

片眼失明が障害者ではない(障害者手帳を持てない)ことについては、「片眼失明者友の会」なるNPO法人(※2)が、片眼失明となった時点で障害者認定を求める活動をしており、実際厚生労働省に対してのアクションも起こしていて、2017年にかけて実施された厚生労働省の「視覚障害の認定基準に関する検討会」(※3)にも参考人として代表と副代表が出席し、その旨の意見を述べています。

ではありますが、これに先立つ「視覚障害認定基準の改定に関する取りまとめ報告書」(下記※4)で、「WHO基準で片眼以0.6以上あればほぼ正常。不自由な点として遠近感がつかみにくいことがあるが、これは要は慣れの問題」(筆者による強引な要約)というようなことで「他眼の視力が 0.7 以上の片眼失明者は障害者には該当しない」とされているのを覆すには至っておりません。WHOから片目だけでも0.7あれば十分っしょ、と言われてしまえばもはや何も出来ないですね。えぇ。

この検討会の議事録なんかをちらちら見ると、非常に失礼な言い方をしてしまえば、厚生労働省としては、この手の検討会において当事者を呼ばないわけにはいかないから片目失明者代表を呼ぶけど、結論はもう決まってるからね、という感を受けました。斜に構えた見方かもしれませんが。(ちなみに、自分は両目とも斜視ではありません。奢侈な暮らしもしておりません。)

なお、このNPOのことは、この記事を書くにあたってWebで調べて初めて知りました。この代表の方、苦労されたみたいですね。。

 

このブログの趣旨

 

隻眼会計士・税理士と名乗ってはみたものの、先に紹介したNPOが主張するようなことを主張したいとか、こんな苦労をしてきた、とかで同情を買いたいとかいうのではないです。世界に向かってブログを書くわけなのでそりゃ多少の承認欲求はありますけども。なんでしょう、不幸にして(そりゃ不幸ではあるよね)片目を失ってしまった、特に小さいお子さんがそうなってしまった、という人がいれば、というより確実に毎年何人かはそういう人がいるであろうと推測される中、多少なりとも参考になればと思い、立ち上げた次第です。

あと、すぐれた識見を持っているわけではないけれど、純粋に会計・税務周りの話題があってちょっと長めの文章書きたいな、というときや、その他身の回りに起こったことで文章作成意欲が沸いてきた際に書く場として、です。次第にこちらがメインになってくると思います。基本的には会計、税金以外の政治的・社会的なことは書かないつもりです。

隻眼の会計士・税理士となると、おそらくどんなに多くとも両手で数えられるぐらいしか日本にいないと推測します。なので、このブログは現実世界の知り合いが見れば、あ、あいつだ、とわかるという半匿名の人物により書かれています。下手なことは書けないですね。

とりあえず初回はこんなところで

 

※4: 平成28 年8 月26 日、公益財団法人日本眼科学会 視覚障害者との共生委員会、公益社団法人日本眼科医会 身体障害認定基準に関する委員会との合同委員会